当社が主催する月1回の「経営トレーニング」では、
ミニゲームを使い、その中で経営をしてもらいながら
貸借対照表と損益計算書の2つの決算書を作成
してもらいます。
そのうえで、上記の表を作ってもらい、
「利益の金額」と「お金の増減額」との食い違い
を確かめてもらいます。
上記の表では、ゲーム終了後の利益の金額は
174万円であるの対して、現金の増減額は
プラスの462万円となっています。
普通、一般的に考えると「利益が出た分、お金も
増えている」と思いますよね。でも、両者の金額
には288万円の差があります。
この差はどこからきたのか?
ということなんです。
「え〜別に経理をやるわけじゃないから、
そんな面倒なこと知らなくていいよ〜」
そう思われた方もいるでしょう。
でも、会社経営やビジネスに携わっていて、
こんな経験はないでしょうか?
「あんなに一生懸命に仕事しているのに、
どうしてうちの会社にはお金がいつもないんだ?」
そう。まさしく、この理由を知るために、
「利益」と「お金の増減」の差を知ることが
必要なんです。
そのことを経営トレーニングの受講者に
理解していただくために、上記の表を使い、
「利益」と「儲け=キャッシュ」の食い違いを
調整する表を作っていただきます。
食い違いをもたらす代表例は何か?
それは下記の4つです。
①減価償却費
②売上債権
③仕入債務
④在庫
上記の表では、ゲームに登場する
②売上債権247万円
③買掛金270万円
④在庫135万円
を「利益174万円」に調整してもらう
計算を行なっています。
では、ここで上記の②〜④がなぜ、
「利益」と「儲け=キャッシュ」に食い違いを
もたらすのか、簡単にご説明します。
②売上債権247万円については、
商品は売れているものの、お金はもらっていない、
なので、利益の額174万円からマイナスの
調整をします。
③買掛金270万円については、
商品を仕入れているものの、お金は払って
いないので、利益の額174万円にプラスの
調整をします。
④在庫135万円については、
商品が売れておらず、お金が入っていない
ので、利益の額174万円からマイナスの
調整をします。
そう。つまり、このことで会社にお金が
残らない理由が分かるのです。
以上、このように損益計算書で計算される
利益額は、その分のお金が会社にあることを
意味していませんし、
貸借対照表の現金も、期末現在に残っている
お金を示しているに過ぎず、どこから入って、
どこに消えていったのかは、示していません。
そう、つまり、損益計算書と貸借対照表だけ
では会社経営にとって生命線と言える
「お金の流れがわからない!」のです。
以上が、今回の記事の内容です。
もし、あなたの会社にお金が残らないとすれば、
まずは「支出が過大でないか?」ということを
見ていただくと共に、
下記の4項目について、金額が大き過ぎないか
どうかを確認するようにしてみてください。
②売上債権
③仕入債務
④在庫