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名称なんてどうでいい?いや、重要なんです。

2001年1月、国際会計基準委員会(IASC)は組織を改正し、名前も国際会計基準審議会(IASB:International Accounting Standards Board)と変更されました。

議長に就任したデービッド・トゥーディー(当時)は「各国の基準設定機関と協力し、世界で1つの会計ルールを決めることで企業の財務情報の開示を一段と公正なものにする」と、グローバル・スタンダードを決める権限を持つ世界機関のスタートをここに、高らかに宣言したのです。

会計処理や財務諸表の作成方法に関しては、「会計基準」という法律ではありませんが、規範としてルールが各国で定められています。

日本には日本会計基準が、米国には米国会計基準が存在ます。

そして、ひときわ世界に影響力のあるものが「国際財務報告基準」です。

それを作成する設定主体が上述の国際会計基準審議会(IASB)というわけです。

さて、話は戻ります。

 

ところで、このIASBの最後のB、つまりボードを何と訳すべきかについて、ひと悶着ありました。

FRB(連邦準備理事会)などのようにボードは通常、「理事会」と訳されます。ところが米国の会計基準設定機関であるFASBは「財務会計基準審議会」と訳されています。

このように、翻訳名称が一般的な訳語と違う場合、たいがいそこには官僚の明確な意図が隠されているのです。

例えば「日米構造協議」、英文名称は「Structural Impediments Initiative 」。直訳すれば「構造的障害協議」となります。はじめから日米間の構造的な「障害」、つまり有形無形の「規制」を見直すことが目的だったにもかかわらず、国民の目から「障害」という文字は隠されました。

ではボードを「審議会」と訳す理由は何でしょうか?従来、日本では大蔵省(当時)、つまり官僚が国内の会計基準づくりを牛耳っていました。

しかし、「会計基準設定から政治的な影響力を排除するためには、会計基準の設定機関は民間でなければならない」という会計関係者の認識の下、2001年ついに、日本でも民間機関の財務会計基準機構が誕生し、民間主導の会計基準設定機関として、企業会計基準委員会(ASBJ: International Accounting Standards Board of Japan)が誕生したのでした。

しかし、会計基準設定権限を奪われた官僚が、そのまま黙って大人しくしているはずもありません。従来、「企業会計審議会」(大蔵省に属していた)という組織により会計基準を決めていたため、官僚の言語である「霞が関の修辞学」では、基準決定を担う会議体は「審議会」でならなければならないのです。

かくして、IASBは企業会計審議会と同様、国際会計基準「審議会」と訳されているのです。本来、IASBを「審議会」と訳すのであれば、その後に誕生した民間主体の設定機関も平仄を合わせるべきです。しかし、英文でASBJと言っている企業会計基準委員会は「審議会」という名称にはなっていないのです。

古来、「言霊」といわれるように、言葉には意思が宿るものとされています。

また、「名は体をなす」とも言います。IASBを国際会計基準「審議会」と訳し続けることで、企業会計審議会の存在を守る。官僚によってかけられた言霊に、いまも我が国の会計基準設定機関は縛られているようです。

なお、世界のIASBも米国のFASBも、日本のASBJも同じ会計基準設定機関なのですから、同じ名称で名乗られてはじめて、同等の機能を持つものとして理解されるのではないでしょうか。

このことについて、日本経済新聞は当初、IASBを国際会計基準「理事会」と訳していましたが今では霞が関にならって「審議会」と訳しています。名称1つとっても官僚の隠された意図というものがあり、会計基準を巡る実質的な影響力を官僚たちは、そうやすやすとは手放さないようです。

私どものビジネスゲームにおいては、会社経理規定を設け、それをもとに会計処理を行っていただきます。

また、上級編では上述の「会計基準」で認められた複数の方法を自分自身で判断し、適用するということをやっていただきます。

これにより、どの計算方法を適用するかにより利益額が変わることを体感的に学べるようになっているわけです。

1月は20日、27日においてビジネスゲームセミナーin博多の初級編と中級編を開催します。

また、2月においては10日と24日においてビジネスゲームセミナーを天神と博多にて開催する予定でいます。

詳しくは、こちらのストリートアカデミーのサイトもご覧下さい。

ストリートアカデミー

 

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