こんにちは。人的資本の創出をご支援する
コンサルタント平井です。
今回は、人的資本と人的資源の違いと、それらが
企業価値にどう影響するかについて書きたいと思います。
まず、ここで、人的資本とは、従業員の能力や経験など、
「利益」や「企業価値」の創出に貢献する要素です。
そして、人的資本は資本であるため、「投資」することで
その価値を高めることができます。
そう、つまり「人財育成」があってこその「人的資本」
といえます。
次に、人的資源とは、経営資源の一種であり、使うこと
で目減りしていくものです。
人的資源は効率的に消費することが重要であり、
例えば、人材獲得とその配置などが一例です。
給与の分だけ、使い倒すイメージですね。
日本の企業は、ある側面では長らく採用と配置を重視し、
運用をしてきました。つまり、「人的資源」ですね。
新卒一括採用で、毎年決まった期間で新卒学生を採用し、
長期の雇用を前提とし、様々な職場や職種を異動を通じて
様々な経験を積ませることで、成長を促していました。
学校教育では、組織運用、コミュニケーション、自ら
考え、発信し、長期や中期、短期のビジョンや方針を
打ち立てるなんてことは一切学びません。
このような学校教育と企業が必要とする人材に大きな
ミスマッチがあるため、企業は自社内で育てるという
ことを行なってきました。
もちろん、この仕組みは今も有効に機能する部分は
あります。ただ、少子高齢化による労働人口の減少、
コロナによる働き方の多様化、自動生成AIなどに代表
される技術の進展によるスキルの陳腐化などによって、
限界は確実に来ています。
結果、企業としては、以前にも増して従業員に対して
「意図的な成長機会」を作り、人財育成を行い、客観的
かつ具体的に評価することの重要性が高まっています。
そうしないと、持続的な会社の成長や存続がかなわないと
わかっているからです。
以上、こうした背景から、人的資本経営が求められて
います。
では、人的資本の価値を高めるためにはどうすれば
いいのでしょうか？
そのためには、インプット・スループット・アウトプット
の3つの観点で考える必要があります。
「インプット」とは、人的資本に投資する対象です。
「何に投資すればよいのか」は、目指すアウトプットに
応じて変わります。
その投資対象として、真っ先に思い浮かぶのは、
人財育成ではないでしょうか？
たしかに人財育成はそのひとつですが、投資対象
はそれだけではありません。他にも、多様性、健康安全、
労働慣行なども投資対象になり得ます。
「スループット」とは、投資が人材のどの要素に影響する
かです。知識や技能だけでなく、姿勢や価値観も重要です。
最後に「アウトプット」です。これはまさに、投資によって
企業がどんな効果を得られるか、です。
これには①経済的な側面と、②非経済的な側面があり、
「①経済的な面」では、売上向上や生産性向上などが
挙げられます。
「②非経済的な面」では、社員の健康や幸福度の向上など
につながります。
これらはまさしく、社員の「エンゲージメント」に
直結するものとなります。
さらに、副次的な効果として、「人的資本への投資」という
活動は、労働市場に対して「人を大切にしている」という
シグナルにつながります。
結果、「この会社なら自分を大切にしてくれる」との共感
につながり、人材を獲得しやすくなり、巡り巡って株価に
影響することもあり得ます。
さて、最後に企業価値とのつながりも見ていきましょう。
最後に、人的資本が企業価値にどう影響するかを見てみましょう。
企業価値はファイナンスの観点から整理することができます。
その中で、人的資本は市場付加価値 (MVA) の一部に分類されます。
MVAは企業価値において重要な要素であり、人的資本も同様に
重視されています。
以上が、人的資本と人的資源の違いと、それらが企業価値に
どう影響するかについての説明でした。
わざわざ、ここで説明するまでもなく、「人こそが宝」「人材こそ
が会社の資産だ」ということは皆様もお分かりのことだと
思います。
ただ、そのような価値観や考え方が、欧米企業では取り入れ
られるようになり、それをつけて、開示情報として我が国でも
後追いのような形で「人的資本経営」が唱えらえるように
近年なってきました。
ただ、「人づくりは国づくり、企業づくり」といえ、
時代や国を問わず、結局は会社の利益や企業価値の源泉は
「人財＝人的資本」といえます。
だからこそ！
当社は人財育成のプロフェッショナルとして、
「人的資本」創出のお手伝いをさせていただいております。
私どもは、ビジネスゲームなどを使った独自の社員教育、
幹部研修、コーチング技術を使い、社内の人的資本の育成
をご支援しております。
もし、「社内の人材がなかなか育たない」「事業拡大のために
社員にも成長していって欲しい」といったお悩みの事業様が
いらっしゃいましたら、ぜひ、一度、ご相談ください。
当社にしかない、独自の人財育成ノウハウをご提供
させていただきます。
