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税効果会計は恐ろしい?!

さて、本日は簿記に関する経済事件に
ついて書こうかとお思います。

 

【借方】繰延税金資産××【貸方】法人税等調整額××

 

この仕訳なんの仕訳でしょうか?

 

そう。これは税効果会計の仕訳です。

 

学校で学ぶこの何気ない1本の仕訳。

ですが、この仕訳の金額をめぐって人間ドラマが繰り広げられた事件を

ご存知でしょうか?

 

 

りそな銀監査担当の公認会計士、自殺した理由とは何か?

 

りそな銀行の実質国有化が16日に決まった裏側で、人知れず自殺していた優秀な公認会計士の男性がいました。

 

何が、彼を死を選ぶまでに追い詰めたのか・・・。

 

男性が亡くなったのは4月24日午後

5時ごろ。

 

普段より早く、仕事先から東京都豊島区のマンションに戻った直後、スーツ姿のまま、自宅のある12階の階段から飛び降りたとみられますが、遺書などはなかったそうです。

 

繰延税金資産が焦点ひとりの会計士が自殺した後、大手銀行の一角であるりそな銀行への公的資金注入が決まりました。

自己資本に算入している繰延税金資産が監査法人の指摘で大幅に減額され、自己資本比率が大きく低下したためです。

 

当初6%台を見込まれていた2003年3月期の自己資本比率は、持ち株会社のりそなホールディングスで3.8%、傘下のりそな銀行は2.3%にまで落ち込む見込みで、いずれも国内基準行に必要とされる4%を割り込むことになります。

 

これを契機に政府は2兆円規模の公的資金をりそな銀行に注入する方針をとった

のです。

 

このように5月の決算発表を間近に控えて、唐突とも思えるりそなの実質国有化。

 

水面下で一体何が起こったのでしょうか?

 

「5月に入って突然、監査法人が収益見通しを厳格化すると通告してきた。背信だと

抗議した」――。

 

5月17日、日本銀行本店で記者会見したり、そなホールディングスの勝田泰久社長はこう言って、無念さをあらわにしました。

 

ですが、実際は監査法人による繰延税金資産についての査定厳格化の動きは、2カ

月ほど前から始まっていたのです。

 

話は3月中旬にさかのぼります。

当時、りそなグループの監査を担当する2つの監査法人の間で意見の対立が生じて

いました。

 

一方はりそなホールディングスと旧大和銀行の監査を担当する新日本監査法人。

もう一方は旧あさひ銀行の監査を担当していた朝日監査法人です。両者は共同監

査をおこなっており、自殺した会計士は朝日監査法人の会計士だったのです。

 

「りそな銀の収益計画を厳しく見る必要がある。監査法人としては、繰延税金資産

の算入は1年分しか認められない」。

 

こう言って論争の口火を切ったのは、朝日監査法人です。

 

朝日監査法人は、4月22日に開催された上級審査会において激論の結果、

繰延税金資産を全額認めないという方針を決めたのですが、問題は、どうしてこ

のような方針が出されたかです。

 

というのも、1年前はりそな銀行に対して繰延税金資産を5年分認めているから

です。

 

この理由としては、まず第1に提携先だったアーサーアンダーセンが不正会計に

より崩壊したとことによる危機感、

 

第2にりそな銀行の財務内容が良くないことでリスクを感じていた、

 

第3に2002年10月に金融庁から、竹中プラン――金融再生プログラムが出

されたことによって、繰延税金資産の厳格化の流れが一挙に加速したことが巷で

は理由として挙げられています。

 

りそなの監査を担当する会計士は、朝日監査法人の上層部が上記の理由から、

りそなの監査から降りようとしているのを知り、何とかそれを回避しようとした

と思われます。

 

当会計士自身は、もともと厳格監査の人であり、りそなの決算内容は会計士として

許容の範囲を超えていたと思われるのですが、監査法人が監査を途中で放り投げて

降りるということについては、会計の現場にいる人間として、やってはならないこと

だと思っていたのではないでしょうか。

 

そこで、担当会計士は、結果はどうなろうとも、監査を最後まで継続する道を探った

と思われるます。

 

このことから、りそな銀行側、新日本監査法人側に対して、繰延税金資産の現実的な

線を調整しようしています。

 

そして、とくに新日本監査法人に対して、繰延税金資産を今期も5年分認めることは

問題があるとして説得していたようです。

 

この担当会計士の動きに対して、りそな銀行側は危機感を持ち、朝日監査法人に対して、「担当を外せ」と要求しています。

 

さらに、銀行側はそれに断られると、今度は金融庁を通じて朝日監査法人に圧力までかけたのです。

 

これには、朝日監査法人も困惑し、担当会計士に対し、代表社員への昇格を条件に担当から外れるよう説得したという事実もあるのです。

 

いずれにせよ、その担当会計士は、四方八方からの圧力がかかっており、尋常ならざる精神状態であったと考えられます。

 

このような圧力が担当会計士を自殺へと追い込んだともみることができるのです

なお、この事件については様々な憶測をよんでいて、陰謀説まで囁かれています。

 

いずれにせよ、企業会計上最大の問題となるのが、この「将来CFの見積計算」です。

 

3年後、5年後となるとその計算は困難性をましますし、主観性がどうしても介在します。

 

ブラックスワンに代表される不確実性が必ずつきまといますので、もう、ホント、神のみぞ知る世界です。

 

この事件は、そのことが背景にある会計の問題点が内在している事件ともいえる

のではないでしょうか。

いや〜仕訳は一行なんですけどね。

本当に、税効果会計は怖いですね。

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