ビジネスパーソンの皆さまにおきまして、生成AIの技術進展の速さに驚異を感じている方もいらっしゃるかと思います。そのうえで、「自分の仕事はどうなるだろうか?」とか「今後のスキルアップのための学びはどうすればいいのか?」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか?
そうなると、このAI時代において、学び方そのものが大きく変わることは間違い無いですよね。そこで、新たな能力開発のカリキュラムを提供している私どもから、「AI時代に何を学ぶのか?どのように学ぶべきのか?」について、考えをお話しします。
最近、AI企業が古書店から大量の本を買い込み、AIに学習させているというニュースがありました。
本などの情報はAIに取り込まれ、AIはそこから学んで膨大な情報を蓄えていきます。一方で、AIを使う側の人間は、AIを活用してそこから情報を引き出すことになります。
こうした流れの中では、問題の解き方や年号の暗記といった、従来の受験勉強のような学びは意味を失っていくでしょう。では、これからの学び方はどう変わるのか?私は大きく2つあると考えています。
学び方①:何か一本を学びきり、そこから幅を広げる
1つ目は、何でもよいので一つの分野を学びきることです。会計、経営、税務、法務など、どの分野でも構いません。一つの分野を体系立てて深く学びます。
なぜ「一本」なのか?
一本の「幹」を作ることで、専門知識の学び方や、知識がどのように体系立てられているのかを、その分野を通して身につけられるからです。この感覚は、他の分野を学ぶときにも活きてきます。
AI時代において、枝葉は「浅く広く」でいいと思います。
その幹の上に、マーケティング、IT、税務、法務、国際政治、地政学といった幅広い知識を、枝葉としてつけていきます。
このため、枝葉の知識は、深く学ぶ必要はありません。「それが何なのか」「どのようなことに利用できるのか」を理解しておけば十分です。
AIで「組み合わせ」を成果に変える
そのうえでAIを使い、「この知識とこの知識」「この理論とこの理論」を組み合わせて、成果としてアウトプットしていきます。AI時代の学びは、知識そのものを蓄えることよりも、こうした組み合わせと活用のための土台づくりに重心が移っていくのだと思います。

学び方②:ネットにない、自分だけの資料で学ぶ
2つ目は、ネットに出回っていない本や資料、自分なりのまとめ資料を使って学ぶことです。
ネットに上がっていない情報は、基本的にAIは拾ってこられません。そこで、自分だけが持っている本、資料、論文、自分でまとめたものを独自の資料として保有しておきます。それをNotebookLMのような閉じたAIに読み込ませ、「自分だけの知の倉庫」を作るのです。
こうしておくと、「たしかあんな資料があったな」「こういう論文があったな」というときに、AIで引き出したり、AIに組み合わせさせたりして活用できます。
では、その「幹」とはどんな知識なのでしょうか。私は、知識は立体構造になると考えています。
簿記を例にしましょう。簿記の会計処理は、会計の世界ではあくまで「表面上」の部分です。その裏には、きちんと会計理論が存在します。理論を学ぶことで、表面上の計算の知識に裏打ちができ、知識に**縦の深さ(深度)**が生まれます。
さらに、目の前の会計処理について、次のような問いを立ててみてください。
こう考えていくと、法人税法、所得税法、消費税法、会社法、民法…とさまざまな科目につながります。これが横の広がりです。
縦の深さと横の広がり。この両方を持ち、どんどん広がっていくのが立体構造の知識であり、私が主張する「一本の幹」の正体です。

ノートは通常、縦と横の二次元です。そこに「深さ」が加わって立体構造になっていく。これがこれからのノートの形ではないかと考えています。
私自身のやり方を会社法で紹介します。
このように、ノートの構造が従来は「縦と横」だったものが、深度が加わり「立体」になる。そんなイメージです。
幹ができたら、その上にマーケティング、IT、税務、法務、国際政治、地政学といった幅広い知識を「枝葉」としてつけていきます。AI時代の枝葉は浅く広くで十分です。
この2点を理解しておけば足ります。そのうえでAIを使い、「この知識とこの知識」「この理論とこの理論」を組み合わせて検討してもらい、成果としてアウトプットします。AI時代の学びは、知識を蓄えること自体より、「知識の組み合わせと活用」の土台づくりへと重心が移っていくのです。
すべてがネットに情報として上がるわけではありません。ビジネスの現場にいる方なら痛感されているように、チャンスも仕事もお金も、いまだに人を介して運ばれてきます。自分の体験や人づてに得た情報は、自分だけの情報源です。
これらを文章にして自分専用のAIに入れておけば、本当に自分しか使えない、自分だけが活用できるAIになっていきます。
以上、これらのことをまとめると
①一本の専門分野を深く学び、「知識の幹」を作る
②「知の幹」とは、理論による縦の深さと関連分野への横の広がりでできた立体構造の知識である。ノートも縦・横に加えて「深さ」を意識して作る
③幅広い知識は「枝葉」として、AIでの使い道を考えられるようにしておく
④ネットにない資料や自分のまとめ、自分の体験や人から聞いた情報を文章化し、自分専用のAIに蓄える
AI時代の学びは「知識を覚える」から「土台を作り、組み合わせて使う」へと変わっていきます。ぜひ、ご自身の学びの参考にしてください。
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