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経営はどこにむかっている?〜企業会計は計器盤

今回はわたくしの尊敬する京セラの創始者であり、JALの再建に尽力した稲盛和夫氏についてお話ししようかと思います。稲盛氏は、著書で会計について語っていらっしゃいますので、ここで、ご紹介いたしましょう。

 

「会計がわからなければ真の経営者になれない」

稲盛和夫氏が設立し、世界企業にまで成長させた京セラは、会計システムやアメーバー経営という経営管理手法において有名です。そのようなシステムを構築した、稲盛和夫氏が著書のなかで次のようなことをおっしゃっています。

「もし、経営を飛行機の操縦に例えるならば、会計データは経営のコックピットにある計器盤にあらわれる数字に相当する。

計器は経営者たる機長に刻々と変わる機体の硬度、速度、姿勢、方向を正確かつ即時に示すことができなくてはならない。

そのような計器盤がなければ、今どこを飛んでいるのかわからないわでだから、まともな操縦などできるはずがない。だから、会計というものは、経営の結果を後から追いかけるためだけのものであってはならない。

いかに正確な決算処理がなされたとしても、遅すぎては何の手も打てなくなる。会計データは現在の経営状態をシンプルにまた、リアルタイムで伝えるものでなければ、経営者にとっては何の意味もないのである。

その証拠に急速に発展している中小企業が、突然、経営破綻を起こすことがある。会社の実態を即座に明確に伝える会計システムが整備されておらず、どんぶり勘定となっているため経営判断を誤り、最終的に資金繰りに行き詰ってしまうのである。

中小企業が健全に成長していくためには、経営の状態を一目瞭然に示し、かつ、経営者の意思を徹底できる会計システムを構築しなくてはならない。

そのためには、経営者自身がまず会計というものをよく理解しなければならない。

計器盤に表示される数字の意味をするところを手に取るように理解できるようならなければ、本当の経営者とはいえない。経理が準備する決算書を見て、例えば伸び悩む収益のうめき声や、やせた自己資本が泣いている声を聞き取れる経営者にならなければならないのである。」

中小企業の経営者には、会計を軽視、もしくは重視しないという方が多いのが実情です。なかには、税理士や会計士を経理の代行屋程度にしか考えていない方もいます。

そのような経営者の会社は、だいたい決算期直前になって、あわてて伝票などの書類をもってき、徹夜で作業することで、なんとか辻褄合わせの決算書を作るということを繰り返しています。

もちろん、そんな決算書は実態とは大きくかけ離れており、経営の計器盤としての機能はありません。

そのような経営者にとって決算書とは、お役所に提出するただの書類であって、単なる形式的に作成するものでしかないようです。

しかし、稲盛和夫氏は、このような形式的に作成された決算書について、次のようなことをおっしゃっています。

「常識的には、決算資料は経理が一般的な形でつくるものかもしれない。

しかし、それでは本当に経営者の役に立つものにはならない。経営者がまさに自分で会社を経営しようとするなら、そのために必要な会計資料を経営に役立つようなものにしなければならない。

それができるようになるためにも、経営者自身が会計を十分よく理解し、決算書を経営の状況や問題点が浮き彫りとなるものにしなければならない。

経営者が会計を十分理解し、日頃から経理を指導するくらい努力して初めて経営者は真の経営を行なうことができる。」

本屋さんのビジネスコーナーに行くと、カタカナや英語の経営の本や経営分析の本がたくさんあります。しかし、経営の計器盤となる決算書をまず始めに読めなければ、どんなに派手でカッコイイ経営分析も的外れになってしまいます。

そして、その決算書を読める能力を養うには、簿記の知識が不可欠です。仕訳と転記、そして、その裏にある会計の考え方を地道に理解していく作業ですが、世界的な企業を創設した、稲盛和夫氏も最初は大学の図書館で簿記の入門の本を読んで勉強したそうです。

何事もいきなり大きなことはできません。やはり、一歩一歩、しっかりと地を踏んで歩くことが大事なようです。

ちなみに・・・

私どものビジネスゲームでは、「決算書を作れる」「決算書を読める」「決算書を活かせる」ということを身につけていただく内容となっています。

コックピットの計器盤に相当する企業会計をぜひ、ビジネスゲームを通して身につけていただきたいと思います!!

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