東洋経済オンラインに衝撃の見出しが載った
記事が配信されていました。
『7割弱の社会人が「学ぶ習慣」がないという現実』
なんでも記事によると
『リクルートワークス研究所「全国就業実態
パネル調査2018」によれば、昨年1年間に、
自分の意志で、仕事にかかわる知識や技術の
向上のための取り組み(例えば、本を読む、
詳しい人に話を聞く、自分で勉強をする、
など)をした雇用者の割合は、33.1%という
数字になったそうです。つまり7割弱の人が
学ぶ習慣を持っていないということです。』
〜記事より抜粋
とのことで、この記事を読んでみて
皆様はどのような感想をお持ちでしょうか?
私は逆に「チャンスがあるな!」と感じ
ました。
上記のように7割の人たちが日々の業務
や作業に明け暮れ、専門知識や教養などの
習得をしていないのであれば、
まさしく、隙間時間などを塗って
専門知識の習得等に励む人は着実に
そうでない人に比べて能力は上がって
いくはずですよね。
日本型雇用システムでは、これまで長期雇用を
前提として、自社組織にとって必要なマインド
やスキル、知識を身に付けるための教育訓練が
行われてきました。
かつてよく聞いた
「OJT (On the Job Training)」と
「Off-JT (Off the Job Training)」という
やつです。
これらはいずれも、「会社主導でのキャリア
形成」と言えるものであり、高度成長時代
の長期雇用を前提とする会社では、この
手法は功を奏してきたといえます。
しかし、中国企業などのアジア勢の台頭など
国際競争が激化している近年において、
このような旧来のトレーニングだけでは
太刀打ちできなくなってきているのが
現実です。
国も上記のことを危惧し、急速な経済・社会
の変化に対応できる人材を育てるために、
「リカレント教育」(社会人の学び直し)の
拡充に向けて取り組んでおり、
2019年度より、実践的な職業教育を行う
新たな高等教育機関として、専門職大学など
も創設され、にわかに注目されています。
【参考】リカレント教育に関する提言
経済財政運営と改革の基本方針2019~
「令和」新時代:「Society5.0」への
挑戦~ (令和元年6月21日閣議決定)
6 リカレント教育
社会人・女性・高齢者等の多様なニーズに
対応して大学や専修学校等のリカレント教育
を拡大する。
〜文部科学省「学校での社会人再教育
(リカレント教育)への支援」より抜粋
なお、学び直しの必要性に関する国際間
比較の調査が総務省により行われており、
その調査によると
我が国よりも他国の方がより感じており、
同じ調査をアメリカ、イギリス、ドイツで
行ったところ、学び直しが「必要になる
可能性が極めて高い」、「必要になる
可能性が高い」と回答したのは、
日本の合計36.0%(70代の回答を除く)
に対して、アメリカは41.3%、
イギリスは39.1%、ドイツは43.5%であった
との報告がなされています。
〜総務省「平成30年度版情報通信白書」
上記のデータからも、海外の人たちの方
がキャリア形成において危機感があり、
そのための「学び直し」や「自己投資」
などを行う必要性を感じていることが
分かりますね。
上記の内容だけですと、ついつい企業
にとって「人」はコスト増の要因、
「役に立てない人はお荷物」といった
ネガティブな印象を受けます。
しかし、私自身も経営者であり、
また、長年、教育の現場も見てきて
おりますので、その経験から申し上げ
ますが、
強く感じるのは、
いつの時代も企業においては、
「人材こそ貴重な経営資源」であり、
「従業員の成長なくして会社の成長は
見込めない」ということです。
そして、まともな経営者であれば
このことをしっかりと認識しています。
そうすると、やはり、社長の立場からは
会社の発展・継続のためには、社員さんに
「成長」してもらわなければならず、
そのための社員研修の充実や、資格取得
を奨励する制度の導入などを考えて
いかなければなりません。
また、働く社員の側も、自分自身の能力を
常にアップさせていかないと、自分が
所属している会社の存続が危うくなる
ばかりか、自分のキャリア形成もままな
らず、将来的に安定した収入が得られなく
なる可能性も出てきます。
このように、会社の根本的収益源は
「人財」であること、会社存続のためには
この「人財」を育てる必要があること、
というのは、経営者や幹部、その他の社員
が感じている共通認識といえるのでは
ないでしょうか。
しかし、そのことが分かっていてなお、
上述のように「学んでいる人の割合は
7割」というのが現状です。
ということは、「分かっていても動かない」
という人が大半なのですから、そこをあえて
動いている人は、まさしく企業にとって
「宝」となるわけです。
ここまで、
・人は企業にとって「宝」であること
・人材の成長が会社の成長
・社長自身もそのことは分かっている
・しかし、実際に学び続けている
社会人は3割程度しかいない
ということを書きました。
では、学び続けているその3割に入る
として、どのようなことをどのよう
に学べばいいのでしょうか?
まず、「大前提」について書きたいと
思いますが、「知識は目的に向けて
体系化しないと意味がない」という
ことです。
つまり、手当たり次第に目の前のこと
を学んでも「雑学」のようなバラバラ
な知識となるため、記憶の忘却も早く
理解度も浅いため、ビジネスの現場で
活かせるような知識にはならないの
です。
そこで、まずは「ご自身の目標を明確
にする」ということオススメします。
そのうえで、その目標に向けて知識を
体系化していく形で学んでいくわけです。
例えばですが、「IPOを目指すベンチャー
企業のCFO(最高財務責任者)」になろう
目標を設定したとします。
そうすると、そのことで学ぶべきものが
明確になりますね。
財務会計や管理会計、ファイナンス、金融証券
取引法、資本政策など、具体的に学ぶべき
項目が明確となります。
次にその学び方が問題となります。
くれぐれも「本を読んで分かったつもり」
にはならないようにしましょう。
効果的で戦略的な学習方法については
下記の記事で書いておりますので、
こちらを参照していただければと
思います。
今回の内容は以上です。
ビジネスパーソンの皆様の学びの参考
になれば幸いです。
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