株式会社M-Cass|経営体験型・人材育成研修セミナー|熊本・福岡

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【経営者や幹部が決算書を利用するときに知っておくべき注意点

1.ビジネスパーソンが思っていたのと違う決算書

 私どもは、経営塾や経営者向けのセミナーなどで
「経営数字」の読み方、活かし方について「ビジネス
ゲーム」を使いながら、お伝えしています。

 このとき、貸借対照表や損益計算書といった
顧問税理士の先生から渡される決算書を題材に
その読み方ポイントや、それらを使った経営分析
についてみていくのですが、そこで「利用にあた
っての注意点」として、次のことをお話しして
います。

 「いま、皆様がみている決算書を作る会計
のことを財務会計といいます。この財務会計
は簿記による記帳技術を使い、一定のルール
のもとに作成されるのですが、

では、誰に向けて作っているのかご存知
でしょうか?」

 さぁ、この質問を聞いて、皆様ならどのよう
に答えるでしょうか?

「えっ、株主さんや銀行さん、はたまた税務署
に報告するために作るんでしょ?」

という方や

「いやいや、まずは経営者が経営に利用する
ために作成するんでしょ」

という方もおられると思います。

そもそも、「誰に対する情報提供のために
決算書を作るのか?」ということについては
意外と、考えたことがないかと思います。

実は、この「誰に対する情報提供か」
という面を知ることは経営者や幹部といった
ビジネスの現場で経営数字を活かそうとする
ものにとっては非常に重要です。

なぜなら、もし、決算書が「経営者向けに
なっていない」ということであれば、
そこから得られる情報を、「経営者向け」に
組み替えて活かさなければならなくなるから
です。

ですが、このことを知らなければ、
「経営者向けではない情報を、経営者向け
の情報として利用する」というハメに
なりますよね。

この点に関しては、巷にあるビジネス会計本
などでは一切、説明がありませんし、
ビジネススクールなどでも教えられない点
ですので、ぜひ、このブログの読者の方
には理解しておいていただきたいと思います。

では、一体、誰に向けての情報提供がメイン
となっているのか?

財務会計における「憲法」としての存在
である「財務会計の概念フレームワーク」
から、紐解きたいと思います。

このフレームワークの
「第1章 財務報告の目的」の「序文」
には次のような記述があります。

「財務報告はさまざまな役割を果たして
いるが、ここでは、その目的が、投資家に
よる企業成果の予測 と企業価値の評価に
役立つような、企業の財務状況の開示に
あると考える。

自己の責任で将来を予測し 投資の判断を
する人々のために、企業の投資のポジション
(ストック)とその成果(フロー)が開示さ れる
とみるのである。 」

その上で、「本文 ディスクロージャー制度
と財務報告の目的 2」には次の規定があり
ます。

「財務報告の目的は、投資家の意思決定に
資するディスク ロージャー制度の一環として、
投資のポジション(1)とその成果を測定して開示
することである。」

はい、キーワードが出てきましたね。
そのワードとは「投資家」です。

そうです。上記にあるように財務報告のメイン
となる対象者は「投資家」にあるのです。
「経営者」という言葉はでてきません。

2.投資家の投資意思決定アプローチとは

 上述のように、財務報告のメイン対象者は
「投資家」ということでした。そうすると、
その人たちが欲しい情報、役立つ情報を提供
しなければいけません。

では、財務会計の概念フレームワークでは、
どのような情報を提供しようとしているので
しょうか?

それを理解するためには、同フレームワーク
が想定している「投資家の投資意思決定アプ
ローチ」を知る必要があります。

ここで、概念フレームワークが想定する
投資意思決定モデルですが、
「フィードバック・アプローチ」が
想定されていると言われています。

「フィードバック・アプローチ」とは
投資家(者)が、次のような2段階による
投資意思決定を行うと考える理論モデルに
なっています。

【第1段階】予測価値
まず、将来の利益を予測する。
→ここでは主にB/Sを利用する。

【第2段階】フィードバック価値
次に実際の利益を把握して、これと当初の
期待した利益と比較することにより、当初
の期待を改訂する。
→ここでは主にP/Lを利用する。

このような形で、投資の意思決定を行う
と想定されるため、概念フレームワークでは
「B/Sをにより第1段階の情報(予測価値)」
を提供し、「P/Lにより第2段階の情報(フィー
ドバック価値)」を提供する、ということを
財務会計の目的に包含させています。

では、次回、この投資意思決定モデル
におけるフィードバック・アプローチに
ついて、もう少し掘り下げてみていきたいと
思います。

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