もう仕事納めの時期がきました。
皆様いかがお過ごしでしょうか?
まだまだ仕事が残っている〜と忙しくされている方もいらっしゃるでしょうね。
わたくしもこの時期は、税務の繁忙期で、法定調書などの作成で深夜まで仕事を以前はしていました。
とにかく、まだまだ寒さの厳しい季節ですので、体調にだけはお気をつけください。
さて、今日の記事は前々回の続きです。
社長から
「おい!君!今期は何としても黒字でないと困るのだ。何とかしたまえ!」
と言われたらどうするか?というお話でした。
(製品原価の内訳)
製品100個生産
材料費:3,000万円
労務費:2,000万円
経費(地代):1億2,000万円
今期の利益計算見通し)
売上1億6,000万円(100個販売)
原価1億7,000万円
損失△1,000万円
わたくし自身も、経理システムの導入を指導していた法人さんで、システムに会計処理を入力し、試算表を抽出するときには、
「頼むから赤字になってるなよ~」
と、ドキドキしながらアウトプットした経験があります。
赤字なんて、経理担当者の責任ではないんですが、やっぱ、報告するときは嫌なもんですよね。
まぁ、架空の売上をあげるとか、費用を資産計上してしまうとかの方法もあるのでしょうが、ここでは「制度上認められる」合法的な方法があるということをご紹介します。
ただし、あくまでも会計上の数字をいじくったに過ぎず、経営実態が好転したわけではないので、マネはしないほうがいいですよ。
ストーリーに戻ります。
「しょうがない。購買担当者と生産担当者に連絡し、製品を20個分追加生産しよう。」
経理担当者のA君は、そう自分の後輩に言った。
「先輩。気持ちは分かりますが、すぐに販売できるお客さんは見つけられないっスよ~。」
後輩は目を×にして言った。
「いや、大丈夫だ。追加生産した製品はそのまま在庫としておく。」
果たして、このA君の真意とは如何に!?
ということで、解説です。
A君の提案のように、
上記の原価が製品100個分であったとして、追加で20個増産し、それをそのまま工場の倉庫に在庫としてしまったらどうなるのか、確認してみます。
材料費:3,600万円
労務費:2,400万円
経費(地代):1億2,000万円
増産した場合の原価:1億8,000万円
そして、売れた100個分に対する原価が売上原価として費用になり、生産したけど在庫として残った20個分は、資産になります(来期に売れたときに費用になる)。
ということで、増産した原価1億8,000万円を売れた100分と在庫になった20個分に振り分けてみます。
【売れた100個分の原価】
1億8,000万円×100個÷(120個)=1億5,000万円(費用計上)
【在庫20個分の原価】
18,000億円×20個÷(120個)=3,000万円(資産計上)
以上、利益を計算してみましょう。
売上1億6,000万円
原価1億5,000万円
利益 1,000万円
おっ、利益がでた!
ん?でもなんで?
確かに製品は増産した。
でも、売れたわけではなくて、そのまま倉庫に在庫として積み上げただけ。
なんで利益がでるの?
そう思った方も多いでしょう。
次回、その種明かしをしてみたいとお思います。
ヒントは、「原価は変動費と固定費に分かれる」ということです!
ちなみに、この分野は「財務会計」の内容ですが、原価を変動費と固定費に分けるのは「管理会計」の基本中の基本です。
わたくしどもビジネスゲームでは、初級編から上級編において主に「財務会計」の内容を、エグゼクティブ編では主に「管理会計」の内容を学んでいただきます。
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