「経理は経営の羅針盤を作るところでもあるので、
迅速かつ正確でなければならず、また常に公明正大
なものでなくてはならない。経理が乱れたら、
必ず経営は乱れる。いくら技術が進歩したといって
も、経理の重要性は少しも変わらない。」
高橋荒太郎『語り継ぐ松下経営~名補佐役が語る若き人たちへの遺言~』
会計は「会社の実態を映す鏡」と考えてください。
常に磨き続けなければ、会社の本当の姿を映さ
なくなります。
会社の実態を映さないどうなるでしょうか?
経営者は客観的な数字を元に状況を把握する
ことはできず、経営判断を誤る原因となり
ます。当たり前の話しですよね。
なお、このことは「現場」においても
同じことがいえます。例えば、貸借対照表
の「資産の部」に記載される「在庫」です。
「在庫」は資産の部の中でも要注意の
勘定科目ですが、この正確な数字を把握
するためには帳簿上の記録(商品有高帳など)
だけでは分からず、「棚卸」をしないと
正確な資産高を確定させる事はできません。
このため、「棚卸」は非常に重要であり、
棚卸がいいかげんだと、資産高にズレが
生じて貸借対照表が不正確になるだけ
でなく、
売上原価についても正確な数字を出す
ことができません。
(期首商品棚卸高+当期仕入高-
期末商品棚卸高=売上原価)
実地棚卸は手間や時間がかかって面倒
ですが、それは整理整頓ができてない
からです。
倉庫内が整理整頓され、あるべきものが
あるべき場所に置いてあれば、棚卸には
それほど時間はかかりません。
ここに日頃の整理整頓の意味があります。
ただ、そうはいっても日常業務が忙しく
忙しい日々の中、そこまで意識が回らない
よという経営者や管理者の方もおられる
でしょう。
しかし、それを言っていては、いつまでも
会社の業績は上向きになったり、安定し
たりすることはないでしょう。
その実行力をつけるため、なんとしても
やるんだという意識をつけるためにも、
「経営者としてあるべき考え」
「管理者としてあるべき姿勢」
といった「あり方=Bring」についても
身につける必要があると思います。
私どもの経営塾や社員研修は「経営数字」
に特化したいわゆる「やり方=Doing」
の部分を教えておりますが、
そのような技術やスキルはあくまでも
「あり方=Bring」のうえに構築される
ものだと考えております。
それがないと、「頭ではわかったけど
「実行しない」ということになる
からです(その意味では、本当にわかった
ということにはなりませんが)。
そこで、もし、このブログを読んでいる
あなたが、上述のように「実行できていない」
と感じたら、経営技術の勉強以外にも、
「経営者としての姿勢・心構え」の部分
についても学ぶことをお勧めいたします。
渋沢栄一が言う、「論語」と「算盤」の
この2つは両輪なんですね。