前回の記事の続きとして、
「経営数字」の観点からの経営者の視点について
書いていきたいと思います。
前回の記事では、とにかく当たり前のことを
書きました。
つまり、
「入りを多くして、出を少なくする」
ということです。
「入りを図りて出るを制す」
という格言のとおりですね。
ただし、実はこのことだけでは会社経営においては
不十分です。経営者は、「事業投資からのリターン」
を常に考えておかなければならないからです。
この点を理解するために、あなたに1つ質問が
あります。
「もし、土地を所有していたとして、それを
売却し、5,000万円のキャピタルゲイン(売却益)
が得られたとします。
あなたは本当にそれで儲かったと言える
のでしょうか?」
さぁ、どうでしょうか?
単純に考えれば、土地売却で売却益が5千万円
獲れているのですから、儲けたと言えそうです。
ですが、単純にはそうともいえません。
それは、「投資額との対比」でみないと、本当に
儲かったのかわからないからです。
つまり、5千万円の土地売却益を得るのに
その土地に対する投資額が50億円だったらどう
でしょうか?
利回りは1%になってしまいます。
米国債の金利が3%〜4%ありますので、
https://www.bloomberg.co.jp/markets/rates-bonds/government-bonds/us
だったら国債などで運用した方が利回り的には
良いわけです。
このように、「収入と支出」による「収支」でみると
5,000万円の売却益は一見儲かっているように
見えますが、投資額との対比で見ると、意外とそうでも
ないということがあるわけです。
以上のことから、経営者はその事業に対して
いくら投資をし、それを回収し、回収余剰を作り出し
た結果、どのくらいの利回りだったのか、
ということは常に計算しておかなければいけません。
そして、そのことを知る経営数字の指標こそが
「投資利益率」(ROI(Return On Investment)
なのです。
まさしく、投資額に対してどのくらいのリターンが
あったのかを知る指標です。
上記の指標について、決算書とのつながりでみると、
分子の利益は「損益計算書」から持ってこれます。
また、分母の投資ですが、「貸借対照表」から持って
これます。なお、分母の投資額に何を持ってくるか
により、いくつか種類があり、代表例として下記の
ような指標が存在します。
①総資産利益率(ROA(Return On Assets)
②自己資本利益率(ROE(Return On Equity)
③投下資本利益率ROIC(Return on Invested Capital)
上記の「投資利益率」ですが、この計算式とその
「分解式」を知っておくと、経営者として
「経営数字の側面」からの「経営の視点」という
ものを身につけることができます。
では、その計算式と分解式を下記に示します。
①投資利益率
利益/投資(総資本or自己資本など)
②分解式→上記式は下記の2つに分解できる
③利益/売上高(利幅)
④売上高/投資額(回転率)
つまりです、あくまでも「数字の側面」から
ではありますが、ビジネスの最大のポイントは
下記の2つになります。
第1:利幅の厚い商売をすること
第2:回転数を高めること
投資に対するリターンを高めるためには、
数字の側面からはこれ以外にはありません!
実際、ビジネスも上記の2つに大きく分かれますね。
例えば、第1であれば「不動産業」とか、
「ディズニーランド〜オリエンタルランド」が
挙げられるでしょう。
また、第2の方であれば、それこそ100円ショップ
がその典型ですね。
このように、ビジネスにおいて数字の側面から見ると
上記の2つがポイントになるわけですから、
逆に業績が悪い場合は、上記2つにアプローチを
すればいいということになるわけです。
では、その具体的なお話に関しては次回の記事
でみていきたいと思います。
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