英オックスフォード大学のマイケル・オズボーン
教授は、
2013年に
”The Future of Employment(雇用の未来)”
と題する論文を発表したことで有名になった方です。
「雇用の未来」では、2050年までにAIにより47%
の仕事が失われると論じ、世界中に衝撃を与えま
した。
このニュースを見たという方も多いのではないで
しょうか?
最近の5Gの登場による通信技術の進展、
AIの実装、そして、新型コロナウィルスによる
社会構造の変化など、オアズボーン教授に言われ
るまでもなく、将来に向けて考えている
ビジネスパーソンの方は多いと思います。
そこで、今回の記事は
その将来に向けて、どのように自己投資をすれば
いいのか?
「将来必要とされるスキル」という観点で書いて
みたいと思います。
マイケル教授は、2017年に
「The Future Skills(未来のスキル)」と呼ばれる
論文を発表し、そこでは、
「2030年に必要とされるスキル」
「必要とされなくなるスキル」
をランキング形式で公表しています。
【2030年に必要とされるスキル】
1位: 戦略的学習力(Learning Strategies)
2位: 心理学(Psychology)
3位: 指導力(Instructing)
4位: 社会的洞察力(Social Perceptiveness)
5位: 社会学・人類学
(Sociology and Anthropology)
6位: 教育学(Education and Training)
7位: 協調性(Coordination)
8位: 独創性(Originality)
9位: 発想の豊かさ(Fluency of Ideas)
10位: アクティブラーニング(Active Learning)
出典: The Future of Skills: Employment in 2030 – University of Oxford
これとは、逆に必要とされないスキルは
1位: 操作の正確さ(Control Precision)
2位: 手作業のすばやさ(Wrist-Finger Speed)
3位: レート制御(Rate Control)
4位: 手作業の器用さ(Manual Dexterity)
5位: 指先の器用さ(Finger Dexterity)
6位: (機材やシステムの)捜査力
(Operation and Control)
7位: 応答のすばやさ(Reaction Time)
8位: 手作業のぶれなさ(Arm-Hand Steadiness)
9位: 機材管理力(Equipment Maintenance)
10位: 反応の正確さ(Response Orientation)
出典: The Future of Skills: Employment in 2030 – University of Oxford
以上、中身をみていただきますと
例えば、現行の日本の教育は、大学受験など
はペーパー試験重視でありますし、他の資格
試験(司法試験・公認会計士試験など)も
点数を取るための学習が求められるため、
どちらかと言えば「正確性」や「処理の素早さ」
が求められます。
つまり、点数を取るための受験勉強自体は
「必要とされないスキル」に属するものと
いえます。
着目すべきは、やはり1位の「戦略的学習」
ですね。
ここで、「戦略的学習」とは次のような
ものになります。
『新しいことを学んだり教えたりするとき、状況に
応じて最適な学習法を選び、実践できること。』
出典:https://www.onetonline.org/find/descriptor/browse/Skills/2.A/
つまり、「新しいことを学ぶスキル」であり、
その際に、「適切な学び方」を採れる能力と
いえますね。
では、この「戦略的学習」が採れる人とは
具体的にどんな人なのでしょうか?
例えば、ビジネススキルを学ぼうとした
ときに、まずは、自分がビジネスにおいて
求めるゴールを設定し、そのゴールにおいて
現在持っている自己の能力を見定め、
そのうえでゴールに向かうのに足りない能力
を洗い出し、その不足能力を習得するための
科学的学習法(自己説明法やシミュレーター
法など)を取り入れるをアプローチととも
に学びを進める人は、「戦略的学習」が
採れる人といえます。
逆に「戦略的学習」が採れない人という
のは、いきなり、「ビジネスセミナー」に
申し込んだり、簿記の資格取得の勉強を
始めてしまうような人が挙げられるでしょう。
なお、会計や税務、会計士や税理士と
いった高度な専門知識の習得の観点から
このことをみると
いきなり専門書や問題集を解き出す人は、
「戦略的学習」が低い人といえ、
高い人というのは、それらの試験自体を
研究し、テキストの読み方、記憶の忘却の
防ぎ方など、科学的で効果的な学習方法に
ついて学んでから、
実際の試験勉強を始めるような人だといえます。
では、ビジネスパーソンはこれからの
時代を乗り切るために、どうすれば
「戦略的学習」が可能となるのでしょうか?
ここでは、下記2つの視点でみていきたい
と思います。
「① 何を学ぶか?」と
「②どのように学ぶか?」
「① 何を学ぶか?」について
自分の適正に合っていないため、なかなか
身につかないようなスキルを学んでしまった
り、また将来、世の中から求められなくなっ
てしまうスキルを学んでしまうと、せっかく
の努力も水の泡と消えてしまいます。
このため、「何を学ぶか?」は非常に大切です。
そのためにも、「自分の適正」をしっかりと
判断していただいてうえで、「未来の社会に
求められるスキル」を考えるようにした方が
いいと思います。
現在であればAIのプログラムを組む高度な
スキルや、データ分析を統計学的活用して
ビジネスで活かせるスキルなどのニーズが
高まっています。
なお、私どもがベンチャー企業様や中小
企業様のアドバイザーとして接していて
感じる実感は、「管理会計のスキル」は
今後、さらに求められると思っています。
つぎに、「②どのように学ぶか?」です。
私共は、ビジネスパーソン向けの研修事業
以外に税理士や会計士などの資格取得向け
講座も行っており、
「社会人資格取得学習者向けアメーバブログ
〜戦略的学習に関する記事」
その事業で多くの社会人の学習方法を見てて
感じるのが「反復とノート取り」という自己流
の不合理な学習方法に固執している人が多い、
ということです。
どんな専門知識も、ビジネスに必要な知識も
「学び方」が悪ければ、本当に身につきません。
それは、私共が20年近く専門知識習得のための
講座に従事してきた経験から確信があります。
そのために、「学び方」そのものについて
「戦略的」で「科学的」な手法について学んで
おく必要があるのです。
この点に関して、私共はビジネスパーソン向けの
研修として、「シミュレーター法」を提唱して
います。
上記の動画のように、
私たちは、独自開発しました「ビジネスゲーム」
による「シミュレーター法」という新しい学習方法
を提唱しています。
(関連記事:画期的な社員研修方法)
戦略的な学習においては、「どう学ぶのか」
という「学習方法」が非常に重要ですが、
現行の教育・人材育成事業で行われている
カリキュラムには「転移の失敗」という
大きな問題が未解決のまま残されています。
(関連記事:転移が起こらないという問題)
このため、ビジネスゲームを使い会社経営
を疑似体験していただくことで、その中で
知識を活用するトレーニングをやっていた
だく、新しいスタイルのカリキュラムを
ご提供しています。
以上、この記事では、マイケル・オズボーン
教授の論文「未来のスキル」から、2030年に
求められるスキル1位の「戦略的学習力」に
ついてみていきました。
新型コロナウィルスが発生による社会の
変化なんて、数年前にはぜんぜん考えていま
せんでした。
しかし、このことで、将来的にも社会は
大きく変化することがあるということが
体感的に理解できましたね。
そのためにも、戦略的学習力を身に
つける必要があると私は思います。
この方法はどんな分野にも適用できる
汎用スキルであり、一朝一夕で身につく
ものではありません。
今回の記事が、皆様の戦略的学習力を
身につけることの参考になれば幸いです。
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