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『5分で学ぶ』決算書4〜決算書作成の原理を理解する必要性

「5分で学ぶ」シリーズ過去記事

1.経営数字に強くなり、伸び代を高める

2.総資産利益率はビジネスの本質

3.総資産利益率を分解する

 前回まで、「決算書を活かす」というテーマを背景に、
「総資産利益率」の計算方法とその数値の意味について確認しました。

しかし、本当の意味で総資産利益率の数値を理解し、会社経営上
どういう意味があるのか、ということを理解するためには、
決算書の数字がどう作られるのか?」ということを理解しな
ければいけません。

 「なんだ、面倒くさいな。そんなの税理士に任せているよ。」

そう思われる経営者の方もいらっしゃることでしょう。

しかし、ちょっと待ってください。

 例えば、次のような「決算書の数字」を基にして
総資産利益率が算定されている場合、経営上、どんな意味を
有するでしょうか?

【損益計算書】

売  上1,000
売上原価800
売上総利益200
販管費210
営業利益△10
営業外収益0
営業外費用0
経常利益△10
特別利益110
特別損失0
当期純利益100

上記の損益計算書に対して、仮に貸借対照表の総資産
が1,000だとすると。

「当期純利益100÷総資産1,000=10%」

と計算されます。
そして、仮にこの数値が「業界平均よりも高い」数値だとして
本当にこの会社は業績が良いのでしょうか?

 上記の損益計算書をみると、確かに最終の利益である「当期純利益」
は+100ですが、「経常利益」や「営業利益」は損失10となっています。

これは「会社経営上」何を意味するのでしょうか?

確かに総資産利益率は10%と高い数値を示しています。
(なお、日本企業の全業種平均は4%程度)

 しかし、その数値算定の基礎となる「損益計算書」の数字を
みると、どうもおかしい。何か違和感があると思いませんか?

そう。つまり、経営分析の知識をつけて、決算書の数字だけで
表面上の各種分析指標の数値を出しても、その基礎となる
「決算書の数字の意味」が分からなければ、本当の意味では
分析できないのです。

このため、経営分析の数値を本質的に理解するために
「決算書の作成原理」の基本を理解する必要があるわけです。

では、次回、その「作成原理」について解説します!

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